日本経営品質賞 過去受賞企業

2016年度日本経営品質賞大企業部門受賞

福島県郡山市 動物用医薬品製造販売

日本全薬工業株式会社

http://www.zenoaq.jp/

代表者:代表取締役社長 高野 恵一 氏

  • 各部署が連携した直販システムによる「課題解決型営業」の推進
  • 研究開発機能強化とインフラ整備による次世代CC製品の創出
  • 全社、部署・事業所のセルフアセスメント連動による組織革新
表彰理由

 日本全薬工業株式会社は、コア・コンピタンス(CC)と位置付けたロングセラーの固形剤「鉱塩」及び顧客とのダイレクトコミュニケーションによる「直販システム」を基盤とした経営(CC経営)から、次世代CC経営への進化に向けて取り組んでいる。この進化は、犬アトピー性皮膚炎の減感作療法薬「アレルミューンHDM」の発売(2014年6月)をはじめとした、組換えタンパク質製剤等の世界に向けた次世代自社製品群の開発を基盤としている。また、理想実現のため自社の活動を振り返るプロセスに磨きをかけ、組織活性化や業務プロセスの改善・改革に取り組んでいる。この結果、毎年実施しているCS調査及びES調査では高評価を維持し、財務結果の健全性も保っている。

各部署が連携した直販システムによる「課題解決型営業」の推進

営業担当者が畜産農家や動物病院の現場に直接入り込んで情報を収集し、そこで察知したニーズや困りごとを、例えば中央研究所の検査サービス活用など、営業本部だけでなく、研究開発から生産、物流、さらに本社の支援部署が連携した「直販システム」の中で解決策を検討し、顧客に提案している。これは、卸を介し、MR(医薬情報担当者)活動が中心の業界の中で、独特の活動である。
  また、各事業別に様々な「重要顧客とのコミュニケーションの場」を企画・実施し、親密な関係づくりに取り組んでいる。特に畜産農家や獣医師の技術の向上と交流を目的に、社会貢献として活動している「しゃくなげ会」は、会の運営を支えた長年の貢献に対して会員から厚い信頼が得られたことにより、会員から運営事務局に積極的に話しかけてくるなど、顧客との親密度を高めている。
 さらに、7職種のプロフェッショナル要件を明確にしたプロフェッショナル社員登用制度の導入や、成功事例を社内ネットワークで共有し、優秀な事例を表彰するなどの一連の取り組みは、社員の動機づけとなっており、「課題解決型営業」の質的向上に寄与している。

研究開発機能強化とインフラ整備による次世代CC製品の創出

 「アレルミューンHDM」を含む次世代CC製品の研究開発においては、4つの考え方と3つの重点領域のマトリクスによって価格競争に陥らない独自のテーマを設定し、研究開発本部、生産部、国際本部、事業開発室が連携して新薬創出に取り組んでいる。また、大学と研究所との産学共同研究、ベンチャー企業と国際本部の共同研究など社外連携にも取り組んでいる。また、収益を確保しながら、研修管理棟(2013 年竣工)、三極対応GMP に準拠した第三工場(2014 年竣工)に続き、品質管理棟の新設も計画するなど、次世代CC製品の創出及び国内外の販売展開を見据えたインフラ整備に積極的に取り組んでいる。第三工場ではグローバルなGMP 体制のソフト整備も進め、次世代CC 製品への対応強化に取り組んでいる。

全社、部署・事業所のセルフアセスメント連動による組織革新

 組織状態を振り返って経営課題を探る目的で行うセルフアセスメントを、全社視点と部署視点の2通りで実施している。2008年度から毎年実施している全社単位のセルフアセスメントは、全社としての強みと改善課題を抽出し、全社で共有している。戦略策定プロセスでは、これらの結果を重要な材料として位置付けて、次年度戦略を策定し、各部署、事業所の業務計画に展開している。一方で、全社員が戦略に参画する体制をさらに強化するため、2015年度から部署・事業所単位のセルフアセスメントも導入し、全社単位のセルフアセスメントの体験者中心に、各組織固有の問題点や課題を顕在化させている。この2つのアセスメントにより、全社視点と部門視点を兼ね備えた振り返りプロセスの制度が向上し、長年の継続したセルフアセスメントの実施により、その力量も向上している。

沿革・事業内容
業種 動物用医薬品製造販売
設立 1946年
代表者 高野 恵一
所在地 福島県郡山市
売上高 28,089百万円(2015年度)
従業員 697名(2016年4月現在、派遣・パートを含む)

日本全薬工業株式会社(ゼノアック)は、牛、豚、鶏などの産業動物市場や犬、猫などのコンパニオンアニマル市場を対象に、動物薬の研究開発から製造・仕入・輸出入・販売を一貫して行う動物薬企業です。今年で創業70周年を迎えました。
当社は、「独自のコア・コンピタンス経営*を基盤に、動物用医薬品を通して、国内は勿論のこと、世界の動物の価値を高めることに貢献し、お客様に笑顔と安心を、社員に喜びを、そして社会に幸せを提供し続けること」を理想の姿に掲げ、国内展開のみならずアジアを中心とした海外展開も進めています。

経営品質向上活動への取り組み

 当社は2008年度に社長を委員長とする経営品質向上委員会を発足、経営幹部を中心に約40名の社員で組織する経営品質向上プロジェクト(MQPJ)を立ち上げ、経営品質向上プログラムに基づく改善活動を開始しました。以降、毎月開催してきたMQPJ会議(現アセッサーミーティング 隔月開催)で改善活動の振り返りを行い、経営品質活動報告書の作成とセルフアセスメントを毎年実施することで、自社の成熟度の検証(強み、弱み、改善課題の抽出)を継続して行ってきました。
 MQPJ活動を開始した当初は経営品質活動やセルフアセスメント手法の理解が主な目的となっていましたが、本社中心の活動から全国展開につながるブロック活動へ、経営幹部・中堅管理者中心の活動から一般社員が参画する活動へ、さらには全社アセスメントに加え所属社員全員が参加する部署アセスメントを実施し、全社員の参画意識を高める施策を実行してきました。こうした全社的な取り組みを支えるため、セルフアセッサーを育成し各部署に配置した結果、活動のファシリテートとセルフアセスメントの量と質が大きく向上し、改善のスピードが高まってきました。
 毎年実施するアセスメントで抽出した課題は、着実な改善活動につなげるため、次年度の実行計画に反映していますが、今後も理想の姿を実現するべく、当社独自のアセスメントプロセスとして確立し、社員一人一人の経営革新のPDCAを常態化することにより、顧客価値創造の成果に結びつけていきたいと考えています。






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