本年度受賞企業

2016年度日本経営品質賞中小企業部門受賞

東京都港区 ショップ・コンサルティング

株式会社ピアズ

https://peers.jp/

代表者:代表取締役社長 桑野 隆司 氏

  • NTTドコモ密着型ビジネスモデルの構築による提供価値の増幅
  • 人との繋がりを重視した人脈作り
  • 持続的な成長に向けた人材育成と柔軟性を持った組織づくり
表彰理由

「通信業界を変革したい」という社長の思いで創業したピアズは、「通信業界のベストパートナー」というビジョンの実現に向け、顧客であるNTTドコモと徹底密着した人脈作りを行い、販売店促進支援から販売店教育・コンサルティング、NTTドコモ本体の教育支援、さらにはNTTドコモの新規事業開発支援にまで提供価値を増幅させ、他社が参入しにくいNTTドコモ密着型のビジネスモデルを作り上げている。
このビジネスモデルを確立するために、社長がいなくても回る柔軟な組織体制、徒弟制度・スキルマップを活用したコーチング主体の独自の人材育成、さらには、多様な情報共有とコミュニケーションの場(朝礼、支社会、ボトムアップ会、共有会、個客ミーティング、価値ミーティング、Facebook、Googleドライブ)を活用することによって、他社では真似のできない圧倒的なスピード感ある顧客価値の提供を実践している。同時に新たな顧客価値創造に向けた創発の場としても機能している。
この結果、高い従業員満足の実現、高い収益性、顧客であるNTTドコモ及び店舗コンサルティングの成果による店舗順位の上昇などドコモグループの信頼と満足度向上を実現している。
創業間もないベンチャー企業の経営品質向上活動は、多くのベンチャー企業が成長過程で停滞しやすい中で、人材育成と人脈形成を中核とした事業展開のモデルとなりえる。

NTTドコモ密着型ビジネスモデルの構築による提供価値の増幅

創業期の販売現場におけるSP支援から成果を上げ、販売現場の知見からかゆいところに手の届く提案を行い、Facebookや支社会、価値ミーティングや個客ミーティングによる情報共有の仕組みを活用して圧倒的なスピード感あるサービスの提供により、競合他社には真似のできない独自性を発揮し、販売現場の研修におけるシェア40%を確保し、NTTドコモの信頼を勝ち取った。その人脈を大事に深耕・拡大して、現在では、NTTドコモ及びドコモグループに、販売現場の課題解決から代理店販売の経営コンサルティング、NTTドコモの営業部隊の課題解決等の価値提供と、より上位階層へ価値を提供し始めると共に、NTTドコモの戦略段階から相談を受ける信頼関係を構築、高い顧客満足度と業績を達成している。

人との繋がりを重視した人脈作り

「お世話になった人への感謝と義理」を営業哲学として、顧客との親密な関係づくりを最重視している。役員およびアカウントエクゼクティブ(AE)によるNTTドコモ本社及び支社、講師やコンサルタントによる販売現場の顧客ニーズ、双方の情報を社内で共有・活用することにより、確固たる信頼関係構築と迅速な価値提供を実現している。激変する通信キャリア業界のニーズ変化をいち早く察知し、NTTドコモが把握していない顧客ニーズをとらえた解決策の提案に繋げている。

持続的な成長に向けた人材育成と柔軟性を持った組織づくり

社員の質を向上させることが顧客価値向上に繋がると認識している。無料で参加できる社員対象ビジネススクール「ピアズ塾」を人材育成のベースとし、各支社で経営幹部が講師となって全国で展開している。また、人材育成に最適な「師」を選定して、業務指導・日常的アドバイスを行う「徒弟制度」により、コーチング手法を取り入れたマンツーマンで指導する体制づくりを行っている。
ダイバーシティマネジメントを活用したサポートチームを編成し、機能横断的な要素を持った柔軟性のある組織づくりを行い、高い従業員満足度と業界平均を大幅に下回る離職率10%以下を実現している。

沿革・事業内容
業種 ショップ・コンサルティング
設立 2005年
代表者 桑野 隆司
所在地 東京都港区
売上高 14.5億円(2016年9月末日)
従業員 70名(2016年9月末日)

株式会社ピアズは、「無意味な常識に捉われず意味のある非常識を追求し価値ある社会活動を行う」という理念のもと、人材育成を中心としたサービス提供により、「ケータイショップで働く人々がいきいきと仕事ができる環境の実現」を目的としたコンサルティング会社です。
移動体通信業界は、大幅な値引きやキャッシュバック合戦などによる顧客の取り合いが激化する中で、「利用者のニーズや利用実態を踏まえた料金負担の公平性を実現する」という安倍政権下の総務省のタスクフォースが「スマートフォンの端末購入補助の適正化に関するガイドライン」を提示し、各通信事業者による加熱した値下げ合戦を是正し、業界の適正化に向けて動き出しています。
そのような市場環境下において、株式会社ピアズは、創業当時からこれまで「本質的な価値をお客様に提案する」という適正なケータイショップづくりを提唱し、その実現を通して、社員が活き活きと働ける環境づくりを続けてきました。現在では、スマートフォンの台頭、総務省のタスクフォースによる業界適正化の指針が追い風となり、全国においてケータイショップに向けた様々なコンサルティング事業を展開しています。

経営品質向上活動への取り組み

創業3年目にピアズは一度組織崩壊を起こしています。その失敗から、個人商店ではなく、会社経営にしていくために、経営品質向上活動の考え方を中心に据えて組織づくりをしてきました。ほぼ創業から経営品質の考え方をベースに作り上げてきた数少ない組織です。
共に「業界のベストパートナーになる」というビジョンに共感し、理念に共鳴し、「ケータイショップを元気にしたい」という想いに共振する仲間を増やしていく。そのための仕組み作りを全社員で改善・革新し続けています。
情熱系個性型未完成ニンゲンを採用し、社内の徒弟制度の中で学び、自分の担当店舗が元気になり、店舗満足が上がることにより、自身の仕事の満足度が上がり、更に喜んで貰うために仲間と学び合う。このストーリーを通して社員一人一人が変革リーダーとして成長していく仕組みづくりを大切にしています。