本年度受賞企業

2018年度日本経営品質賞中小企業部門受賞

茨城県東茨城郡 自動車部品販売

トヨタ部品茨城共販  株式会社  (現:トヨタモビリティパーツ茨城支社)

http://ibaraki-kyohan.jp/

代表者:代表取締役社長  駒月 純 氏

  • トヨタ部品共販グループのトップクラスの成果
  • TPSをベースとした独自の「全社員改善マン」育成
  • 独自の「お役立ち活動」
  • 「お役立ち活動」による「顧客価値転換」
  • 販売店を巻き込んだ地域貢献
表彰理由

同社の表彰理由は以下の通り

トヨタ部品共販グループのトップクラスの成果

 1981年にトヨタ自動車株式会社と茨城県のトヨタ販売店が50%ずつ出資して設立した会社で、茨城県内のトヨタ車販売店への部品供給と部品商・整備工場へのトヨタ純正部品の供給を主な業務としている。正社員153名、再雇用社員7名、パート社員53名の、計213名(2018年)。売上高約193億円、経常利益約3.7億円(2017年度)。※トヨタ部品共販は地域別に設立されており、全国で33社。
 当社は、本部倉庫の大改造や県内180店舗の販売店に1日2回自社便で直送する配送の改善などで、物流オペレーション面では、月間約30万点の受注に対して、即納性(当日中の納品率約95%)と品質(出荷ミスはわずか4点以内)で、トヨタ自動車からも最高レベルの評価を得、2012年度から2017年度まで連続して優秀店表彰(営業・供給・品質・生産性のすべてが全国5位以内)を受けている。

TPSをベースとした独自の「全社員改善マン」育成

 そうした物流オペレーションを支えるのが、独自の「人づくり」システムである。「改善マン」は、基礎級(問題発見)/初級(問題解決)/中級(プロセス改善)/上級(経営改革)の4レベルに区分され、段階的に習得のレベルアップを図る仕組みである。当社では、「自ら問題解決のできる改善マン」が現在19名おり、それを「全社員改善マン」を目標にロードマップ作りを行い、当面3年間で70名規模(正社員の約半分)に拡大すべく、マネジメント教育・リベラルアーツ系教育に年間約2,000万円の積極的な教育投資を行っている。個人単位のパーソナルカードを作成し、自主的なベンチマーク(国内であれば、担当者の判断で自由に出張できる)、グループ会社や顧客などへの出向も行っている。

独自の「お役立ち活動」

 こうした改善マンが、2014年からは当社独自の「お役立ち活動」として、販売店だけではなく、外販先(部品商と整備工場)といった顧客の内部に、2~3ヵ月入り込み、トヨタ式の業務改善手法を駆使して、顧客の業務プロセスそのものを改善し、ノウハウを移植している。販売店に対しては更に深く入り、板金工場に対する工程改善支援、台あたりセット供給によるお客様の部品仕分け工程の削減、最近では、ガソリンスタンドの廃業でタイヤのバーストが増加しているというJAFの調査結果に着目して、販売店の社会的使命として、販売店で入庫車両のタイヤの残溝チェック徹底を提案し、結果としてタイヤ販売にもつながり、販売店の中には、タイヤの売上が30%も伸びた店舗があるなど、実績を向上させている店舗が続出している。

「お役立ち活動」による「顧客価値転換」

 「お役立ち活動」に関しては、外販顧客(部品商、整備工場)のニーズをパターン化(現在118パターン)した上で、形式知化し、取引先業務改善発表会(年間20件以上)、情報発信会で発信し、部品商、整備工場に展開している。「お役立ち活動」は、販売店の各店舗におけるタイヤ、カーナビ、ドライブレコーダーなどの販売手法・話法・ツール・講習などを標準化したパッケージを提供する政策的サポートを行っているが、こうした本来フランチャイズ・チェーンでいえば本部が担うような機能にまで活動範囲を広げている。こうした活動によって、顧客の20%を占める外販ルートに対しても、部品の価格ではなく、サービスで取引をしてもらうという「顧客価値転換」に挑戦していて、外販顧客の担当者に共感していただくことで、他社との価格比較を行うことなく発注してもらうケースも増えている。

販売店を巻き込んだ地域貢献

 さらに、顧客である販売店のその先にいるエンドユーザーの「顧客価値転換」をも志向して、販売店の楽しく温かい店舗づくりに向けた支援を強化している。その先駆けともなるチャレンジが、社会貢献活動として県内7社の販売店と合同で2015年から始め、事務局を務める一般社団法人「茨城ワクドキクラブ」である。たとえば年2回開催しているオートキャンプ場でのアウトドアフェスのように、大人だけではなく子供も参加できるイベントを開催し、10年後の潜在顧客が、来店したくなる店舗づくりを支援している。ワクドキクラブは、町一番を目指して変革にチャレンジし続ける店舗をトヨタが表彰するJ-ReBORN賞を初回受賞している。
 こうした一連の活動は、「研修」→「プロジェクト」→「仕組みづくり」という社内プロセスに沿って段階的に経営改革に取り組む仕組みとして定着している。

沿革・事業内容
業種 自動車部品販売
設立 1981年
代表者 駒月 純
所在地 茨城県東茨城郡
売上高 193億円
従業員 250名(正社員159)

 トヨタ部品茨城共販株式会社は、トヨタ車にお乗りのお客さまが安心して、快適なカーライフを楽しんでいただける為に設立されたトヨタ自動車(株)直営の部品用品専門販売会社です。トヨタ車全120万品番の部品を即納率95%と高い即納性を持つ物流と、高い営業品質の基本オペレーションにおいてトヨタグループ内での全国共販店表彰では、連続6年を含む累計8回の優秀店賞を受賞しています。
 現在弊社の営業戦略としては、「トヨタ式の改善によるお役立ち活動」を中心に、取引先の売り方や営業力を強化する「顧客価値創造」に日々取り組んでいます。結果として、弊社は他の全国にある部品共販店とは全く異なる新しい事業領域を展開しつつあります。
 また、2015年には弊社が事務局となり、県内トヨタ車両販売店7社と共同で「一般社団法人茨城ワクドキクラブ」を立ち上げました。これは日本初のクルマファンづくり活動と地域貢献を推進する組織であり、現在では年間4,000人のお客様や販売店従業員がクルマの楽しさや地域発見が経験できる規模と内容にまで成長をしています。

経営品質向上活動への取り組み

 これまでの活動はトヨタ内では高い評価を得ていますが、地域でキラリと光る優良な企業として見た場合は、まだまだ必需的価値の提供にとどまっていると考えています。従って、2013年からは魅力的価値を高めるために経営改革に取り組み、第二の創業として「日本一頼りにされる部品共販店」を目標に掲げて活動を開始しました。
 この旗の下、風土改革、トヨタ式のお役立ち活動、そしてトヨタ式改善をマスターするための教育や人材育成など新しい会社づくりを進めています。
 今回の受賞を機に、さらにこれらの活動を高め、地域に、社会に貢献できるよう進めて行く所存であります。

お問い合わせ

所在地 〒311-3157 茨城県東茨城郡茨城町小幡702-1 トヨタ部品茨城共販  株式会社  (現:トヨタモビリティパーツ茨城支社)
連絡先

TEL:029-292-2431

FAX:029-291-0591

EMAIL:norikazu_kudou@ibaraki-kyohan.jp

担当 経営企画室 渉外・秘書G 工藤 紀一