本年度受賞企業

2009年度日本経営品質賞中小規模部門受賞

大阪府大阪市西区 ビジネスホテル

株式会社スーパーホテル

https://www.superhotel.co.jp/

代表者:会長 山本 梁介 氏

表彰理由

 株式会社スーパーホテルは、低価格で顧客のニーズに応え、かつ、高い稼働率を実現するためのビジネスモデルが、日常業務にも根付いて確実にその成果を上げており、本部の各部署が協力し合いながら連携してその支援を行い、新たなサービスの開発とそのスピーディーな展開がローコストオペレーションの強化と両立して行なわれている。
 さらに、経営品質向上会議によって、組織目標実現のための各部門の方向性の策定から進捗確認、見直しまでを各部門間の整合性を取りながら指標の改廃も含めて行い、業界NO.1ホテルチェーンとして確固たるポジションを築き、高い顧客満足度や社員満足度、良好な財務結果などの成果に結びついている。

沿革・事業内容
業種 ビジネスホテル
設立 1989年
代表者 山本 梁介
所在地 大阪府大阪市西区
売上高 158億円(平成21年3月末日)
従業員 265名(平成21年3月末日)

 株式会社スーパーホテルは、1970年に大阪でシングル向けマンションを経営する会社を設立したことに始まります(現在、別会社にて5,000室を管理)。1989年、その経営ノウハウを活かして、株式会社スーパーホテルを設立しビジネスホテル業界に参入しました。当初は「ホテルリンクス」というシリーズ名で6店舗展開しましたが、1997年、時代の変化を今後の成長機会ととらえ、日本初の本格的バジェットホテルとして「スーパーホテル」の1号店を博多にオープンしました。以後は旧来型の「ホテルリンクス」のスーパーホテル転換を行ないながら、スーパーホテルシリーズを全国に展開してきています。平成21年には、ロハス(健康と環境)を新しい価値提供とするスーパーホテルLOHAS JR奈良駅をオープンし、現在では全国で93棟、10,369室を運営しています。
 スーパーホテルの経営理念は、「世界的レベルでの質の高いサービス」を提供し「時代を先取りする創造的な企業」を目指すことです。そして、主たるターゲットである頻繁に出張するビジネスマンに対して、「安全・清潔・ぐっすり眠れる」スペースを創造し、「お客さまに元気になっていただく」ための、ぐっすり眠れるLOHASなホテル作りを進めています。

経営品質向上活動への取り組み

 スーパーホテルの創業から30店舗を展開するまでは、スーパーホテルのビジネスモデルを維持しつつ、会長のアイデアをそのまま伝えることで組織を動かすことができました。また、組織全体のマネジメントも会長が統率することもできました。しかし、30店舗を超えた7年前より、会長が指示してその通り社員が実行するというスタイルではうまく成長しないことに気づきました。経営者の意図が現場に伝わらないことも多くなり、ビジネスモデルの価値を現場で展開する難しさを実感しました。そこで、これまでの方針指示型の経営スタイルからの変革が必要になりました。ちょうどこの時期に「経営品質」の考え方に出会い、経営品質向上プログラムを活用して全員参画の経営スタイルの変革に当たってきました。部門長への権限移譲を進めるとともに、経営幹部である部長や重要な役割を担う管理職が参加する「経営品質向上会議」を毎月開催し、そこにおいて、戦略的に重要なテーマについて議論し、その過程を通じて参加者の経営へのコミットを高めるとともに、「自律と感動」の人材像を明示し、社員一人ひとりが経営者の意識をもち、日々の仕事にあたる、全社員参画経営の核としての人材育成を図っています。